ミツナリの軌跡

出勤から帰るといつもみんなが
「おかえり〜」と言ってくれる
これは正直うれしいこと　ホッとする

今朝は気分爽快晴れ晴れな日だったので
早くから出勤し、あちこちの点検作業を済ませた
一旦帰ってくるとコーヒーの香りの中で
人間達が会議をしていた
「ただいま」
「あっミツナリや」ガラっと扉の開く音
「おかえり〜」

こういう超日常が僕には最大の幸福論なのだ

一通り、みんなに”ぎゅ〜”をされ
再度出勤した

今日は月末　忙しくなりそうだね

今日は朝早くからお寝間を抜け出し
玄関オープンを心待ちにしてた
大抵、女将さんかおっさんが開けてくれる
今日は女将さんが開けてくれた
天気の良い日はあちこちの点検で大変忙しい
仕事を前倒しで進めるのが僕の主義だから
出かけようと思ったら
目を腫らしたままのおっさんがお店に入っていくのが見えた
義理堅い僕は朝の挨拶は欠かさない
僕のご飯場所におっさんがいたので挨拶したら
「おっ　ごはんか？」とカリカリを手にとった

「ちがうぜ」

今日は天気もいいし　しばらく帰らない

おっさんは昨日コンサートしてくると言って
昼前に飛び出していってそのまま帰らずだった
まるで鉄砲玉だね
おっさんがいないと少々寂しいけど
僕は僕で忙しいから集中して仕事が出来た
風が強い日で物干竿が倒れてきてヤバかったけど
上手くかわした
今日も寒い日だったけどお気に入りの場所で寝てた
SR400　改造されたシートの形状が僕にぴったりで
ちょうどいい感じのベッド
おっさんの大切らしいけど
おっさんは特に怒らない

人間というのは気まぐれである
さっきも「だっこ」と持ち上げられ
ぎゅ〜っとされ　「はいっ」と　ぽいっと
座布団にすてられた
気持ちよく眠っている時に限って
こういうデリカシーのないことをする

しかしおっさんはちょっと違うようである
地球上の一生物同士として
対等に付き合ってくれてるように思う
だから僕が気持ちよく眠っている時などに
ちょっかいを出したりはしない

僕はそんなおっさんが大好きである