2009年05月18日

畳の上で死んでやる

僕のテリトリー内の左官屋の兄ちゃんが
僕のおっさんを訪ねてきた
目をつむったまま聞き耳を立てていた
「内の縁の下で猫が死んどってな〜」
「なぬ??」
「なんか上等な感じの猫で飼い主が探してたら
あかんからどこのか知らんかと思てな」
「上等そう?」
「この前もタバコ屋のとこでひかれて死んどる猫がいて
抱き上げたったらまだ温かくてな またひかれたらあかんで
スコップもって走ったばかりや」

おっさんは皆にわからんとこでそういう優しいことする
人間が大好きだから神妙に話を聞いていた

「僕はしらんな〜 毛の長い上等そうな猫やろ 
けど猫て敷地内で死なんやろわからんように遠くで
死ぬらしいでな どっかからきょったんかな?」

「そやろ 一応お隣の奥さんにも聞いたんやがな
猫仲間みたいな感じで知らんかなと思てよ 
この辺で猫飼ってる家て○○さんとことよ
みたきのミツナリやわさ」

「なぬ〜 君はえ?君はえ?」

めっちゃ嬉しかった 仲間が死ぬ話は嫌やけど
左官屋の兄ちゃんは僕の名前で呼んでくれよった

そう!僕は超地域密着の地域全体で盛り上げてもらいたい
そんなお猫様なので めっちゃ嬉しかった

しかし猫はそやねん 迷惑かけたらあかんし
無様な姿見せられないから遠くいくねん

でも僕はあきません たぶん僕いなくなったら
おっさん、前みたいに夜通し歩いて探してくれて
あげく風邪ひいてみんなに迷惑かけるンや
そんなことさせられないね

だから僕は無様でも何でも
その時が来たら絶対畳の上で死んでやる
それで化け猫になってずっとお店にいたる

例えば僕はもういないのに夜中にニャー!って聞こえても
おっさん絶対よろこんでくれるしな

などと考えながらまどろんでたら
左官屋の兄ちゃんは帰ってった

おっさんが「お前は死んだらあかん」と
寝てる頭をぐちゃぐちゃにした



Posted by ミツナリ at 18:43│Comments(0)
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