2009年08月25日
マグロブロック
ここに住みだしてまだ間もない頃
ようやく近辺のあちこちがわかりかけた頃
黒の大小の脅威は正直怖かったが
好奇心はおさえることなんか出来ないので
気分のむくまま冒険した
お家が分からなくなると困るので
少しずつ少しずつ距離を伸ばした
ある朝 灯台下暗しで気付かなかった場所へ忍び込んだ
うまく古い扉が開いていたのだ
お店からすぐの場所で車の危険もない
忍び込んですぐその場所が気に入った
古い建物でいろんなもんがあって
けっこう遊べそうな雰囲気だ
「こりゃ何日間か夢中で探検出来るで」
とココロが踊った
ここまではお家の人間も来ないだろうしな
ともすればここで暮らしてもええね
なんて思いながらうろついた
そんな浮つきが後日大事件をおこすことになるが
その時はそんなことつゆ知らずやわさ
薄暗い室内は初めて見るようなもんが
整然と並んでいて
いちいち横向けたり回したりした
棚の上の丸いものを触ったら
大きな音をたてて落っこちた
この暗がりで黒の大小にいきなり遭遇したら
まずやられる
一応警戒心はゆるめなかった
上に行くダンダンもみつけたが
やめた
どこからか今まで嗅いだことのないような
きょうれつに美味そうな匂いがしてくる
探した
それはわけもなく見つかった
お家にもあるような白い袋の中に
透明なんに包まれて
四角いもんが光っていた
「これや!」
しかしなんやこれは
やたらとええ匂いがする
手で押してみたら固い固い
手を離すときちょっと引っ付いて
ひりひりといたかった
でも間違いなくこれは宝物だ
お家の人間に褒めてもらおう
おっさんにみせに帰ろう!
台からまずそれを下に落とし
くわえた
思ったよりも重かったが
こんなものをみつけたのは初めてだったから
とにかくがんばった
近いしだいじょうぶや 黒さえ来なければ
ゆっさゆっさとゆらしながら
誇り高き貴族の剣士のように
えものをお店までもって帰った
入ったとこで女将さんが知らない女の人間と
話してるのが見えた 無視無視 おっさんは?っと
中から知らない女の人間の話し声が聞こえた
「あれ!? 今なんかくわえとったな!」
「白い袋ぶらさげとった!」「おもそうやったで」
がらっとお店の扉が開き女将さんにつかまった
こういう時にはぜったいおっさんおらへん
一番に褒めてほしかったのに
「あんた!これどこからもってきた!
これ!ミツナリ!どうしたん?これよ!」
けっこうおっきい声で問いつめられた
ほめてもらえないのだね
一日ふてくされて寝てた
気持ちのよい朝が台無しになった
人間は嫌いだね
夕方隠れてお店のそばにいたら
中で人間達が話している
おっさんも声がする
「ミツよ どこからかしらんけど
マグロのブロックぬすんできょってん」
「まぐろかいな?」
「まだ固かったし解凍中のやつやわ」
「どれくらいのよ?」
「けっこう大きかってん ようぶらさげてきょったわ」
「どこのやろ?」
「そやかてもう遅いわさ だまっとこ そやけど
そんなん業務用やわな 限られてるな」
しかしけったくそわるい
どこやりよってんやろ あの四角いのん
まあええ また明日いったらええわ
今度はミスらないよ もって帰らないし
僕を呼ぶ声が聞こえたけど
眠くなってそのままねた
でも食べたかった
ようやく近辺のあちこちがわかりかけた頃
黒の大小の脅威は正直怖かったが
好奇心はおさえることなんか出来ないので
気分のむくまま冒険した
お家が分からなくなると困るので
少しずつ少しずつ距離を伸ばした
ある朝 灯台下暗しで気付かなかった場所へ忍び込んだ
うまく古い扉が開いていたのだ
お店からすぐの場所で車の危険もない
忍び込んですぐその場所が気に入った
古い建物でいろんなもんがあって
けっこう遊べそうな雰囲気だ
「こりゃ何日間か夢中で探検出来るで」
とココロが踊った
ここまではお家の人間も来ないだろうしな
ともすればここで暮らしてもええね
なんて思いながらうろついた
そんな浮つきが後日大事件をおこすことになるが
その時はそんなことつゆ知らずやわさ
薄暗い室内は初めて見るようなもんが
整然と並んでいて
いちいち横向けたり回したりした
棚の上の丸いものを触ったら
大きな音をたてて落っこちた
この暗がりで黒の大小にいきなり遭遇したら
まずやられる
一応警戒心はゆるめなかった
上に行くダンダンもみつけたが
やめた
どこからか今まで嗅いだことのないような
きょうれつに美味そうな匂いがしてくる
探した
それはわけもなく見つかった
お家にもあるような白い袋の中に
透明なんに包まれて
四角いもんが光っていた
「これや!」
しかしなんやこれは
やたらとええ匂いがする
手で押してみたら固い固い
手を離すときちょっと引っ付いて
ひりひりといたかった
でも間違いなくこれは宝物だ
お家の人間に褒めてもらおう
おっさんにみせに帰ろう!
台からまずそれを下に落とし
くわえた
思ったよりも重かったが
こんなものをみつけたのは初めてだったから
とにかくがんばった
近いしだいじょうぶや 黒さえ来なければ
ゆっさゆっさとゆらしながら
誇り高き貴族の剣士のように
えものをお店までもって帰った
入ったとこで女将さんが知らない女の人間と
話してるのが見えた 無視無視 おっさんは?っと
中から知らない女の人間の話し声が聞こえた
「あれ!? 今なんかくわえとったな!」
「白い袋ぶらさげとった!」「おもそうやったで」
がらっとお店の扉が開き女将さんにつかまった
こういう時にはぜったいおっさんおらへん
一番に褒めてほしかったのに
「あんた!これどこからもってきた!
これ!ミツナリ!どうしたん?これよ!」
けっこうおっきい声で問いつめられた
ほめてもらえないのだね
一日ふてくされて寝てた
気持ちのよい朝が台無しになった
人間は嫌いだね
夕方隠れてお店のそばにいたら
中で人間達が話している
おっさんも声がする
「ミツよ どこからかしらんけど
マグロのブロックぬすんできょってん」
「まぐろかいな?」
「まだ固かったし解凍中のやつやわ」
「どれくらいのよ?」
「けっこう大きかってん ようぶらさげてきょったわ」
「どこのやろ?」
「そやかてもう遅いわさ だまっとこ そやけど
そんなん業務用やわな 限られてるな」
しかしけったくそわるい
どこやりよってんやろ あの四角いのん
まあええ また明日いったらええわ
今度はミスらないよ もって帰らないし
僕を呼ぶ声が聞こえたけど
眠くなってそのままねた
でも食べたかった
Posted by ミツナリ at 22:03│Comments(0)
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