ミツナリの軌跡

昨日お店はいっぱいの従業員さんらと
お客さん達でずっとごったがえしてた
なので一日の大半を中庭のプロデューサーチェアで
居眠りしてすごした
さすがに誰もちょっかいを出さなかった

夕方近くになりお店も落ち着いてきた頃
おっさんは打ち上げのバーベキュー準備をはじめた
何の気なしに裏の敷地にまで足を運んだら　
いやがった
宿敵　黒いのんの大きい方

すごまれたがいずれ世代交代は行われる
下がらずいたら爪が飛んできた
激痛はあったがとにかく振り返り走った　お家へ

お〜　細道の向こうにおっさんが怖い顔して立ってるのが見える
助かった　僕はおっさんの脇をすり抜けお家に飛び込んだ
黒いのんはすぐ近くまでおっさんに気づかず追いかけてきたが
慌てて引き返して行った　
その後を昨夜39度も熱があったおっさんが追いかけてくれた

多分爪が刺さったんだろう
帰ってすぐにじんじんと痛みだして顔が腫れた
自慢のおひげのすぐ下にキズが残った

ショックと情けなさとで　昨夜はお家に帰らなかった
何度もおっさんは探しに出てきてくれてた

何度か僕がうずくまってる横を通ったけど
あわせる顔がなく　泣きながら寝た