ミツナリの軌跡

今日は一日おっさんに甘えてた
ずっと後をつけてそばにいた
おっさんは仕事よりも僕を優先してくれる
だから大好きだ
そんなおっさんをみておっさんのおばさんは
「そんなことなら捨ててしまいな！」
などと言う
するとおっさんは小さな声で
「捨てるくらいなら僕が捨てられるわさ」
と言ってぎゅーっとしてくれる
だから大好きだ

でも人間の女にでれでれするおっさんはキライだ
この前も久しぶりの人間の女がやって来た時に
ちょっとでれでれしてた
そういうおっさんは好きでない
無視する

闘ってる僕は勇ましいしカッコいい
声は太いし鷹の眼になる
でもきっとお店の近所でぼさぼさと
ごろごろとだらけてる僕が僕だと思う
昨日帰って来て、ほっとして
今日は朝からずっとここらにいる

少し前までは到底入れなかった場所も
今はすんなり忍び込める　体型的に
ゴミ置き場の上の棚の小さな箱に入り
うたた寝しながら人間達の開店作業をみてた
その姿をみて笑われたり驚かれたり
そんなぼさぼさな生活感が僕らしい

もうじき長い旅は終わる
今日も疲れ果て細道で寝てしまった
太陽が暑かったけどそのまま寝てた
おっさんが見つけてくれて呼ばれたけど
起き上がれなかった

そしてだっこしてくれてぎゅーっとしてくれた
久しぶりだった
そしてそのままお店に入り随分寝た
まだしばらくは落ち着かないが
ほぼ旅は終わった

ただいま　みんな

随分痩せてしまった
結構ぼろぼろだ
ついさっき一度戻ってカリカリを食べた
あちこちが痛いし、とても疲れたが
またすぐに出た
花番頭が喜んだのもつかの間
すぐに悲しい顔をした

大丈夫　しんぱいするな

僕だってホントはゆっくり眠りたいんだ

無事に帰るから　まってておくれ

今日は朝一から出かけたまんま
ぜんぜん帰ってない
でもあんまりお腹がすいたから
カリカリだけ食べに帰った
そそくさと出かけようとしたら
後ろから「なんちゅう水臭いやっちゃ」と
花番頭の声がした
そんな言い方もなかろうにとも思うが
撮影会の一件以来、わざと無視してるから
それも無理ないのかもね　平気平気　イエイ！

こういう気持ちは人間もあるのかね？
特に何をするわけでもなく
ただいっしょにまどろんでたら　
なんかシアワセって感じ

最近は黒の大小もいないしね
平気であちこちいける
で、絶対おっさんにも見つからないとこ

みつけたのだ　　　イエイ！